!!みのかもな人々

MINOKAMO PEOPLES

  1. HOME
  2. みのかもな人々
  3. 「子どもをのびのびと育てたい」  個性を大切にした子育てを三和の地域で

「子どもをのびのびと育てたい」  個性を大切にした子育てを三和の地域で

 

 市役所から車で15分。三和(みわ)町に入ると、田畑が広がるのどかな風景が見えてきた。全校児童23人の三和小学校を通り過ぎ、山奥に続くうねり道を進むと、自然に囲まれた一軒家に到着した。

 今回インタビューを受けてくださったのは、合志彰彦(ごうし あきひこ)さん・あや子さんご夫婦。2020年4月に美濃加茂市三和町に移住された、2人のお子さんを持つご夫婦である。

 彰彦さんは可児市の可児かまど本店で店長兼料理長をしており、あや子さんは三和の喫茶つみきでポン菓子を作っている。ご夫婦ともに食を通して人々に笑顔を届けている。

 

 

 

Q.移住を決めたきっかけを教えてください

彰彦さん:
 以前は奥さんの実家で暮らしていたんですけど、上の子が小学校に上がるタイミングで「出ようか」という話になって。

あや子さん:
 そうそう。あと、上の子がマイペースな性格なんです。

彰彦さん:
 それがその子の個性というか。潰してしまうのはもったいないと思ったんですよね。

あや子さん:
 それで、子どもをのびのびと育てたいなと思ったときに出会ったのが三和小学校だったんです。でも美濃加茂市には住んでいなかったから「じゃあもう家族で移住しちゃおう」って(笑)

彰彦さん:
 移住した後も子どもは相変わらずマイペースだけど、自分たちの子どもに対しての接し方が変わったよね。

あや子さん:
 子どもは変わらず、大人は変わったって感じですね(笑)

 

 

Q.移住するときに不安はありましたか?

彰彦さん:
 正直ありました。田舎暮らしへの期待もあるけど、地域と馴染めるかという不安もあって。でも引っ越してきたら、地域の人に「移住してきてくれてありがとう」って言ってもらえたんです。畑から草刈りから、今までやってきたことのないことも教えていただいて。


あや子さん:
 周りにも正直色々言われました。小規模校だと人間関係を学べないんじゃないかとか。でも三和に来てから四季折々を子どもに感じさせることができて、それ以上に大切な何かを教えてあげられているんじゃないかって思うんです。春になったら桜が綺麗で、山に行ったらタケノコが取れて。近くに住んでいるおばあちゃんが川をせき止めてくれて、水遊びもできるんです。

 

Q.畑を始められたんですか?

あや子さん:
 家を借りたら土地がついてきたんですよ。「畑ってどうやるんだ ろうな」って呟いたら、隣のおじいちゃんが全部耕してくれて、冬になったら白菜ができてました(笑)そこからちょこちょこと畑をやってます。周りの人が農具の使い方とか、干し柿の作り方とか、教えてくれるんです。先生がいっぱいいるんですよ。子どもたちも私たちも、色々チャレンジさせてもらってます。自分で育てた物も食べているし、周りの人が育てた物もいただけるんです。地域の食材とか、季節のお料理が食卓に並べられて。本当に楽しいです。

 

Q.住宅を決めてから住み始めるまでの流れを教えてください

あや子さん:
 家の前に木が生い茂っていて、家が見えない状態からのスタートでした。和室もぐにゃぐにゃの腐った畳が敷いてあって、前に住んでいた方の荷物も全部置いてあって、先祖代々の方のお写真が並んでいて...。そこから自分たちで色々家をリフォームしました。断熱材を敷いて、台所の壁紙を貼り替えて。土壁も、地域の方に手伝ってもらいながら自分たちで塗ったんです。水回りと床とお風呂は業者にやってもらったかな。私、最初は絶対にこの家に引っ越さない!と思っていたんだけど(笑)

彰彦さん:
 すごかったもんね(笑)

あや子さん:
 前に住んでいた方の荷物の片付けをするときに、地域の人が自分の家の軽トラを持ってきてくれて、全部積んで運んでくれてありがたかったです。「何か手伝えることがあったら言ってね!」みたいな感じやったもんね。

 

 

Q.三和小学校の魅力はどんなところですか?

あや子さん:
 あったかい感じ。校長先生が休み時間に校庭に出て子どもたちと遊んでるの。給食のおばちゃんが折り紙作ってくれたりとか、6年生の子が1年生の子を「遊ぼう」って連れ出してくれたりとか。子どもたちのトラブルがあっても、子どもが少ない分、先生もその人数いるからちゃんと見てくれてる。その安心感はすごくある。

彰彦さん:
 あと、コロナ前までは、給食の時間は全校で同じ部屋で食べましょうとか。自分も食に携わっているので、そういうのって大事だなと思うし、感動したな。

あや子さん:
 お誕生日をみんなでお祝いするんですよ。玄関に掲示してくれたり、牛乳で乾杯してくれたり。あと、授業中は必然的に発表しないといけない。数人しかいないから。その中で子どもたちに自然に自立心が芽生えて、しっかりしていくし、頑張りをちゃんと見て褒めてくれる人もいる。先生から我が子が出来るようになったことを丁寧に教えてもらえるのは、小規模の三和小ならではだと思います。その子に合わせた教育をしてくれるので、良かったなって思います。

 

Q.彰彦さんは可児でのお仕事ですが、移住に関してどう思いましたか?

彰彦さん:
 毎日通えるか不安でした。三和ってどこって感じで(笑)転職も選択肢の1つとして考えました。けど、実際通ってみるとそこまで苦でもないし、それが日常になっちゃえば、なんてこともない。
 あと、自分の職業って四季を大事にした和食をメインでやってるもんで、今まで可児市内にいる時には気にもしてなかった季節感を通勤する際にも感じられる。休みの日には山で子どもと柿の葉を拾って、それを会社に持って行って飾りとして使用したりとか。今まで買っていたものが三和で取れちゃうみたいな(笑)仕事としてもプラスになった要素ってのはすごい多いかな。

 

Q.あや子さんの今の仕事は、移住後に見つけられたのですか?

あや子さん:
 そうです。散歩して、顔を出しまくって挨拶してたら、気づいたらそこにいましたっていう表現が一番合っているんですけど。ぬるっと入ってました(笑)地域の人が集まれる場所があったら楽しいよねって話からポン菓子プロジェクトを始めたんです。『ドンッ』ってポン菓子が爆ぜた音を聞いて、そこに子どもたちが集まって宿題やったりとかして。それを地域に密着してやりたいと思って、三和町のお米と子どもにやさしい砂糖を使ったポン菓子作りが始まりました。食べ物ってどうやって作られていくんだろうとか、そういう楽しさを子どもたちに発信できたらいいなと。
 親の楽しそうな背中を見て、子どもがこうなりたいって思ってくれたら嬉しいです。親の背中を仕事で見せるってすごい素敵かなって思って。

彰彦さん:
 僕から見て、妻が変わったなっていうのはすごいある。仕事に対する取り組み方は、ただお金をいただくためのお仕事をしていないなっていうのは感じる。生き生きやってます。それが子どもに一番見せたい姿なんじゃないかなと思います。

 

Q.最後に、移住を考えている方にメッセージをお願いします

 

彰彦さん:
 移住に興味ある人って、不安はたぶん大きいと思うんだけど、実際にね、そこに身を置いてみることも大事だと思う。自分らも最初はやっぱり不安でしかなかったけど、実際身を置いてみたら、通勤とかもそうだけど、全然苦じゃないじゃん、とか。まあ中にはそれが合わないって人も当然居ると思うんだけど、躊躇するんじゃなくて、まず飛び込んじゃうことが大事なのかなって思うかな。

あや子さん:
 そうだね、何事もまずはやってみないと分からないもんね。引っ越してみてから、後から悩めばいいかなって私は思ったから(笑)まず来てみてやってみると、住めば都というか、きっと楽しいと思うんだよね。不安に思っても、まずやってみることが大事かなぁと思います。

 

 

【プロフィール】

合志彰彦(ごうしあきひこ)さん・あや子さんご夫婦(昭和60年生まれ)

岐阜県可児市出身、美濃加茂市在住。

市内最北部の山間部で二人のお子さんと生活。

彰彦さんは、可児かまどにて店長兼料理長を担っている。

あや子さんは、喫茶つみきにてポン菓子を作っている。

可児かまど
可児市下恵土526−1
ランチ・ディナーの営業
月曜定休(臨時休業あり)
TEL. 0574-61-3550
ホームページ:可児かまど本店 (business.site)

 

喫茶つみき
美濃加茂市三和町川浦1503-4
9:00~16:00
日曜・祝日定休(臨時休業あり)
TEL.0574-50-1330
Instagram:@tsuzukusan
ホームページ:喫茶つみき (amebaownd.com)

(文:岐阜大学 金武、髙橋、西脇、松田)
※この記事は、岐阜大学地域協学センターとの連携事業である地域系インターンシップに参加した学生のみなさんが実際に現地で取材し、記事を書きました。

プライバシーポリシー